私は相川愛広苑で言語聴覚士として、話す、聞く、読む、書くといった日常生活にはかかせないコミュニケーション能力や、食物を飲み込む「嚥下機能」に対しての、リハビリを行っております。リハビリを行う為には、評価・検査を行い、毎日の観察や聞き取りなどから一人一人にあったリハビリ計画を立てています。
高校生のとき社会問題やニーズを見ても「福祉」「医療」は必要とされる方面だと思い、リハビリテーションに特化した学校へ進学しました。卒業の年に国家試験に挑戦し、言語聴覚士の資格を得ました。県外への憧れがあり就職も県外でと思っていましたが、いつか佐渡に戻るのもいいかなという思いも在学中にありました。ちょうど就職活動中に、愛広苑の求人を見つけ、自分が持っている資格をいかせることと地元佐渡で働けるということで応募しました。
利用者さんに直接「ありがとう」とお礼を言われるとこの仕事をやっていてよかったと思います。大学のオープンキャンパスに行ってみて初めてこの職業を知りましたが、「飲み込み」の障害が起きるということをそれまでは考えたことがありませんでした。とても興味深い分野で、広い範囲のことを勉強します。知識プラス現場の観察が大切で、勉強通りにいくこともいかないこともありますが、うまくいき感謝されたときはとてもやりがいを感じますね。
リハビリ計画は様々なことが必要になってきます。検査結果の点数だけでなく、その人がどういう疾患があるのかどういう暮らしを送ってきたのか隣の人とどういう風に話しているかどんな性格なのか・・・日々の観察からもどういうリハビリがその人にとっていいか組み立て最適なものを作ります。まとめるのに非常に時間がかかります。でもその人の人生にかかってくることなので、試して改善してより良いものになるようにしています。
ちょうど利用者さんの孫世代になるので、とても親しみをもってかわいがってもらえる反面、慣れすぎると不快な思いをさせてしまわないかなと思ってしまいます。ちょうどいい距離感を保つことを心掛けています。
一度は親の車で見たことのある景色でも、自分で運転すると色んな景色に気付くようになりました。特に施設周辺の夏の景色はすごくきれいです。また夕暮れ時の佐和田の海岸も美しいです。あまり見たことなかった時間帯の景色を見れ、再発見したこと多く佐渡に帰ってきてよかったと思いました。
施設では、体調が悪くなり病院へ入られる方もいれば、リハビリで改善され具合がよくなり自宅へ帰られる方もいます。人との出会いは大切ですし、これから会う人との出会いも大切にし、一人一人に向き合いたいと思っています。
一人で抱え込まず、相談すると道が開ける。
私は「将来やりたいこと」を見つけられませんでした。私のように思っている方もいらっしゃると思います。焦りや心配、不安が広がる中、私は家族と相談したり、真野にある地域若者サポートステーション(サポステ)を利用しました。人と話しているうちに、自分が気が付かなかった自分の得意なことや良さを気づかせてくれました。またサポステでは具体的に履歴書の書き方や面接の対応などしてもらえ、一つずつ不安が消えました。一人で悩まず自分から関わっていくと私がそうであったように、やりたいことや夢が決まると思います。後悔ないように頑張ってください!